6. 着物のデザイン、桜

着物を広げる千代(『宇野千代 女の一生』より)
着物を広げる千代(『宇野千代 女の一生』より)

千代は52歳だった昭和24年(1949)に「宇野千代きもの研究所」を設立しています。着物のデザインが好きで、小説家も着物のデザインも「どちらも独立した、同じ尊い仕事だと思ひ・・・」と記しています。
千代の着物のデザインには、桜をモチーフにしたものが多くあります。「桜は、私の故郷の花であった。私の心の花であったのである」と記しています。
昭和32年(1957)5月、千代60歳のときにはシアトル(アメリカ)での万国博覧会で、千代がデザインした着物のショーを催し、大盛況でした。

千代の募金活動が一助となり復活した薄墨桜
千代の募金活動が一助となり復活した薄墨桜
薄墨桜をイメージした着物(『宇野千代 女の一生』より)
薄墨桜をイメージした着物(『宇野千代 女の一生』より)

また、千代70歳の昭和42年(1967)には、伊勢湾台風で被災して悲惨な姿になっていた岐阜県根尾谷の薄墨桜(樹齢1200年)を救うため、募金活動を開始。
その熱意を受けて岐阜県からの手当があり、この老桜は蘇生を遂げました。