
昭和11年(1936)、39歳のときに千代はスタイル社を設立し、雑誌「スタイル」を発行しました。それは日本初のファッション誌としてたちまち評判になり、その千代を新聞記者だった北原武夫が取材。千代は北原に心奪われました。
やがて北原は千代の勧めで記者を辞めると作家生活に入りました。そして千代と結婚。千代42歳、北原32歳。結婚式への招待状を手にした人は、何かの冗談かと思ったとか。
北原はやがて、スタイルの編集にかかわることになります。


戦時の統制によりスタイル社は一時解散しましたが、終戦の翌年、千代49歳の時に婦人雑誌「スタイル」を復刊させ、ほどなくして爆発的に売れる全盛期を迎えました。
しばらくは栄華を極めた千代と北原でしたが、やがて競合する雑誌の創刊が相次ぎ、売り上げ不振に陥りました。脱税の摘発も重なり、昭和34年(1959)、スタイル社は倒産しました。そのとき千代は62歳でした。そしてその5年後、北原と離婚しています。
