2. 教員時代

大正時代の川下尋常小学校
大正時代の川下尋常小学校(「川下小学校 百年のあゆみ」より)
千代18歳の頃、右から二人目
千代18歳の頃、右から二人目(同人誌「海鳥」の仲間と)

大正3年(1914)、女学校を卒業した千代は川下尋常小学校に代用教員として採用されました。

教え子の手記(『100年のあゆみ 川下小学校』)にはこんな思い出が記されています。

-- 先生との出会いは校庭朝礼での就任式で、その当時の子供心の印象は「ア・綺麗な先生ー」であった。・・・教室では時間をかけて、解るまで教えてくださったが、時には竹の鞭が遠慮なくいい響きを立てたし、平手が飛んだ音もしたようだ。--

また、千代先生を囲んだ同窓会の席では、「私は先生の恋文を運んだ郵便屋でした」と告白する生徒もあったと記されています。
千代は同じ小学校に赴任してきた男性教師に恋をして、やがてそれは町中の噂になると、千代は教師を免職となりました。
失恋のなか、18歳の千代は逃げるようにして岩国を離れ、知人を頼って京城(現・ソウル)に渡りました。

なお、教員時代に千代は同人7名と回覧雑誌「海鳥」を出しています。